縦約192.0㎝ 軸棒39.0㎝
裏千家 十五代 鵬雲斎 一行幅「千山添翠色」 urasenke the 15th sen, genshitsu hounsai "senzan suishokuni sou"
裏千家 十五代 千玄室 鵬雲斎 1923(大正12) -
裏千家十五代家元。
茶道裏千家前家元十五代汎叟宗室。斎号は鵬雲斎。若宗匠時代は宗興。現在は大宗匠・千玄室と称する。「玄室」の名は、千家四代目の仙叟宗室が宗室襲名前に玄室と名乗っており、これに因んで十二代直叟宗室が隠居した際に玄室を名乗ったことに由来する。
妻は登三子(1930-1999)。長男は現・家元十六代玄黙宗室。父は十四代碩叟宗室(淡々斎宗室)。姉は茶道家・冠婚葬祭評論家の塩月弥栄子。次弟は納屋嘉治・淡交社社長(1925-2004)。
千山添翠色 せんざん すいしょくに そう
見渡す限りの山々に鮮やかな翠が見える若葉が萌えいずる初夏の風景。
中国唐時代の詩人李賀の
「暁は涼しく、暮れは涼しく、 樹は蓋の如し、千山の濃緑雲外に生ず。」による。
【河南府試十二月楽詞並閏月 四月】 李賀
暁涼暮涼樹如蓋 暁涼(ぎょうりょう) 暮涼(ぼりょう) 樹蓋の如し
千山濃緑生雲外 千山 濃緑(のうりょく) 雲外(うんがい)に生ず
依微香雨青氛氳 依微(いび)たる香雨 青氛氳(せいふんうん)たり
膩葉蟠花照曲門 膩葉(じよう) 蟠花(ばんか) 曲門(きょくもん)を照らす
金塘閒水揺碧漪 金塘(きんとう)の閒水(かんすい) 碧漪(へきい)揺ぐ
老景沈重無驚飛 老景(ろうけい) 沈重(ちんちょう)にして驚飛(きょうひ)なし
堕紅残萼暗参差 堕紅(だこう) 残萼(ざんがく) 暗くして参差(しんし)たり