五代 川端近左 溜菊ノ絵大棗 the 5th kawabata, kinsa lacquered chrysanthemum tea container

五代 川端近左  1915(大正4) - 1999(平成11)

奈良県に生まれる。昭和3年、12歳で四代近左に入門。昭和16年、四代が養女に迎えた姉の末子、吉子の婿養子となる。その後、日本画を能田耕風に学びながら、家業は四代に師事。大阪府展および市展で知事賞・市長賞を受け、日本美術展に数回入選。昭和38年、五代近左を襲名の後には個展に専念し、各家元宗匠のお好みになる作品を数多く手がける。昭和56年、大阪府知事功労賞を受賞。

 

初代 川端近左は名を佐兵衛、号を近左。川端家は滋賀県の出身と伝えられており、幕末の頃には京都で油屋(屋号:近江屋)を営んでいた。家業の傍ら俳諧や日本画を嗜む趣味人であったとされており、一方ならぬ興味を持っていた漆芸がいつしか家業になったと伝えられる。「近江屋」の屋号と「佐兵衛」の名より「近左」と号す。初代の長男は日本画家・川端玉章。漆芸は初代の弟が二代を襲名した。